tag:blogger.com,1999:blog-45147348934153359582024-03-06T01:04:43.907+09:00Another "Pain is inevitable Suffering is optional"Ryota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comBlogger87125tag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-16059013352977245672017-12-16T14:14:00.000+09:002017-12-16T14:15:19.244+09:00献本頂きました:『覚醒せよ、わが身体。─トライアスリートのエスノグラフィー』似ている思考様式のアマチュアトップアスリートによる、アイアンマンコナまでの道のり
ツール・ド・おきなわでロードレースから引退してから、しばらく身辺整理をしたり、次のステップに備えて多様な人に話しを聞きにいったりしている。そんななか、『覚醒せよ、わが身体。─トライアスリートのエスノグラフィー』をこの9月に発刊された著者、八田氏から献本いただき、久しぶりにサイクリング以外のスポーツを描いた本をしっかりと読んだ。
筆者は東大の経済学部卒なので、大学では先輩にあたる。その後一般企業に勤めている中で「サイクリングが、トライアスロンというものが流行っているらしい」というちょっとスノッブな感じでサイクリングやトライアスロンに取り組み始めている。
このきっかけのところを下手に美化せずに俗物根性的に自転車を始めた様子や、なんなら著者が36歳のときに受けたマイルドなリストラ宣告を包み隠さず描写している(それどころか冒頭にインパクトのある形で書かれている)ところが、現場でRyota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-70799689805643902182017-11-22T16:29:00.000+09:002017-12-17T08:27:03.812+09:00書評:Faster-The Obsession, Science And Luck Behind The World's Fastest Cyclists
国内の書籍では本当に効くスポーツ科学の本が薄い。国内の書籍だけ読んでいるとそもそも薄いということに気がつかないのだが、選手になってからいくつか英語の書籍を読んでいるうちに、英語圏の選手は遥かに深く広範な情報にアクセスできていることに気がついてしまう。
書籍に記載される情報というものは、すでに現場の常識になっており、固まった内容であるから最先端のものではないことが多い。そしてその常識すらまだ日本で選手をやっているぶんには浸透していないということに危機感をもち、特に若い選手のために紹介する。
今回紹介するのはFaster-The Obsession, Science And Luck Behind The World's Fastest Cyclistsという本。筆者はMichael Hutchinson氏。大学出身のフルタイムTT選手の経歴をもち多くのナショナルRyota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-39782961039156431512016-08-02T10:12:00.001+09:002016-08-02T10:12:37.628+09:00Tour de Guadelope prologue and #1 / ツール・ド・グアドループは果てしなく長い
後半戦の初戦となったグアドループ。(ポルトガルは全日本と近かったので前半戦に入れる…廃人でした)ようやく1度リカバリーウイークを作って、ベーストレーニングを再開し、少しタバタ系のメニューを入れて軽く刺激が入ったぐらいでレースに臨むことになった。とりあえず気軽に、気軽にね…
しかしやはり10日のレースはそんなに甘くないことが明らかになっていく
初日はU字のコースで2kmのプロローグ。ノーマルバイクならこんな短距離では匙を投げるところだが、今回はTTバイクが使えるのでパワーだけでなく、エアロで差をつけることができる。また結構な風が吹いているのでペース配分が重要に。道が荒れていたり、減速帯のふくらみを超える必要があるので、技も必要。短いながらもそれなりに工夫する要素はある。
短いのでだらだらと緩いペースと、ポイントでスプリント的なウォーミングアップを入念にして出走。
僕の見立てでは、Ryota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-45967478195556637242016-07-30T11:07:00.000+09:002016-07-30T11:07:45.263+09:00Shimizuは多分グアドループで有名な日本人のトップ3に入る or Tour de Guadelope opening ceremony
時差ぼけで早々に目が覚めて、遠征中としては早々と朝食をとる。このあたりでフランスから36時間ぐらい風呂に入っていないのが耐え難くなって、ちょろちょろと5mmぐらいの口径ででてくる水を使ってシャワーを浴び始める暴挙にでる。そのうち、空きペットボトルに水をためてからシャワーを浴びるという技術を開発して一歩楽になった。ちなみに僕はペットボトルで6本ぐらい必要だが、猛者は1本ですべてを洗えるらしい。多分すすげてないと思うんだけど
とりあえず身体を洗えることが証明?されたが、帰ってからまためんどくさいのに暗い気持ちになりながら練習に出かける。1時間半ほどのカフェライドだ。グアドループは左の羽が大きな蝶のような形をしていて、僕らは右の羽の下辺りにいる。そのまま東の突端まで海岸線沿いを走っていった。カリブ海のバカンスシーズンらしく、海は綺麗でそこそこ賑わっている。だがどこかしら華やかな感じがなく、Ryota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-40917507688373747332016-07-29T04:04:00.000+09:002016-07-29T04:04:39.452+09:00グアドループは果てしなく遠い or Tour de Guadelope before race
フランスには本土以外にいくつか海外県というものがあって、帝国主義時代の名残を留めている。散々広げてきたかつての領土と人の流れが21世紀になって誰にも想像していなかったような形で近年爆発(ニース・パリ・シャルリー。。。)していると極東の島国からみるといささか「大変だなあ」という感じも覚えなくもない。そのへんを本土のエスタブリッシュメントの人たちはどう考えているのか、興味があるが、自転車の業界の人間は良きにつけ、悪しきにつけ、「現実主義者」であり、肩をすくめるだけだろう。
ちなみに海外県は東カリブ海にいくつか(グアドループ・マルティニック等)、ギアナ、マダガスカル周辺(レユニオン、マヨット)、そして南太平洋(ビキニ環礁など)がある。グアドループの人口は40万人ほどで、面積は香川県ぐらい。砂糖とバナナと観光業でなりたっていて、飛び地の島の例に漏れず多大な補助金(from EU/FranceRyota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-15874841609800524122016-07-26T15:53:00.000+09:002016-07-26T15:53:52.507+09:00ツール・ド・グアドループへの旅
7月29日~8月7日まで、ツール・ド・グアドループ(UCIアメリカツアー、2.2)に出場します。
グアドループという地名は耳慣れないと思うので、紹介させていただくと。。。
カリブ海の周縁にあります
拡大するとこんな感じ
ちなみに、カリブ海にあって、アメリカツアーなんですが実はグアドループはフランス領です。
われらがブリヂストン・アンカーチームはここ数年毎年出場していて、総合争いをしています。特にダミアン・モニエが例年TTと登りで抜け出し、優勝争いをしているので、彼を軸に戦うことになるのではないかと思います。
現地住民はこのレースに関して熱狂的な思いがあるらしく、その様子は以下の動画から伺い知れます。ちなみに現地では公共放送で毎日中継があるとのこと
なにせ島なので、毎年ネタの宝庫みたいなレースになるらしいです。マフィアのボスみたいな選手がいRyota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-85122730927395331142016-06-29T08:04:00.000+09:002016-06-29T08:04:35.731+09:00スポーツ心理学の話 Attention(注意)の向け方
僕は分野横断的に色々なことを調べるのが好きなので、色々な分野をつまみぐいして、レースやトレーニングに活かしているわけなのですが(というか、理解できないことはあまりやりたくないタイプ)その中でも今回はスポーツ心理学の話
今回の全日本選手権タイムトライアル並びにロードレースにおいて、メンタルの準備をしっかりしなくてはと例年にも増して思いました。というのも、全日本選手権前3週間ほどにあったTour of Japanの修善寺ステージで大失敗したという反省があります。最初のペースアップで乗り遅れ、いきなりグルペットに入ってしまい、ステージ順位も、総合も、チームとしての動きもできませんでした。その前日の富士山ステージでは全体で17位、脚力的にはどう考えても問題がないはずです。
何より衝撃だったのは、同様に乗り遅れていた新城さんが一回だけ前のグループがみえた瞬間に躊躇なく脚を使いながらブリッジしRyota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-17143680524361044112016-06-28T09:33:00.000+09:002016-06-28T11:52:30.599+09:002016年全日本選手権が終わりました
前半戦を締めくくる全日本選手権が6月24−26日の日程で終了しました。各種のメディアで報じられている通り、個人タイムトライアルで2012年以来2度めの優勝、ロードレースでチームメイトである初山選手の優勝に次いで2位という最高の結果で締めくくることができました。応援ありがとうございました。
アンカーのブログ(TT)
アンカーのブログ(ロードレース)
Ryota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-50520944855814512192016-06-07T10:56:00.000+09:002016-06-07T11:01:57.863+09:00Tour of Japan 富士山ステージからみるヒルクライムのリアル
Tour of Japan第6ステージは日本で行われるヒルクライムレースで多分一番レベルが高いです。ステージレースの1日なので、それまでのステージで疲労していることを考慮に入れても、総合優勝のかかる重要なステージなので軒並み登れる選手は皆狙ってきます。
先日走ってきて全体で17位、日本人1位でコースレコード(41:45)でした。長い間森本さんの出した42分フラットぐらいの記録が破れなかったので、ようやく一歩進めたかなという気持ちがあります。初めて出た自転車のレースはヒルクライムだったので、少なくともあの日は日本人でヒルクライムが一番速かったなという感慨もあります。一方でまだまだ海外の選手に追いつけていない焦りもあります。
とはいえ、ようやく先頭が見える位置でかなりの時間を過ごすことができたので知見をパワー・ケイデンスデータと共に共有します
1.スタートはあたりまえRyota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-13366741250439819382016-05-04T07:02:00.000+09:002016-05-04T07:02:23.739+09:00倹約精神と見栄っ張り精神
ステージレースのふるいというものは徹底している。
だまになったココアパウダーをふるいにかけてきめ細かくしていくように、無駄でエネルギを失う動きが自分の中から削り取られていく。より繊細に、よりなめらかに。ブレーキングを少し遅らせ、誰かが切り裂いてちょっと気圧がさがっているような空間に身を寄せて、自分が群体生物の一個体になったような心持ちで極力加速をおさえながら省エネでプロトンと動く。
練習するときには、どれだけエネルギを消費するか、脚を使ってなおかつ無理やり動かせるかというマインドセットだから、ステージレース中とはまた真逆である。オフシーズン明けや、レースの感覚が開いているとこの倹約精神と練習中の見栄っ張り精神(俺の脚はここまであるはずだというような)との切り替えが少し難しくなったりする。こういうときに、完走できるかできないかというギリギリのステージレースを走ると倹約精神がRyota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-36588162586406539412016-04-23T21:01:00.001+09:002016-04-23T21:04:00.400+09:002016使用サングラス
前回の記事では度入りサングラスについて語りましたが、今回は実際に2016前半でメインに使っているオークリーの3本をご紹介します。
1.レーシングジャケット フルリム式なので、全眼の度入りにしても厚みが気にならない。徐々にフェイドアウトしているモデルかと思いますが、デザイン、堅牢性などバランスが良く使いやすい。調光レンズを使用しています。
2.レーダーロックの調光レンズ。こちらは埋込み型でハーフリムになります。広い視界とホールド感が良いモデル。
3.レーダーロックのレッドレンズモデル。一本だけもっていくとしたらこのレンズカラーです。どんな天候でも安定した見やすさ。実は調光よりも万能なモデルです。
Ryota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-87444332075853292622016-04-02T07:55:00.000+09:002016-04-08T05:14:52.603+09:00度入りサングラスについて [Sponsored]
最近はポリティカリー・コレクトな広告という考え方も出てきたというけれど、やはりというかなんというか、ファッション誌の写真を飾るのはぴちぴちした、イデア的若男女だと思いませんか?目に快いものを提供するのが商業主義の本質だという、冷酷無情な現場主義の方も、もっと多様な美観というものがあっていいよねと表明されるリベラルな方もいらっしゃると思いますが、すくなくとも日本における現実は今のところこんなものでしょう。
サイクリングの世界もまったくもって例外ではなく、ブランドイメージにもよりますが、いわゆる「シュッとした」写真が好まれるというのは、知人の識者の弁にもありました。人間は実に感情的な生きものなので、そのイメージに近づくためにサイクリングが必要であり、前提ではないと頭ではわかっていても、その反対側にどちらかというと立っている人たちにとって入りづらい世界なのではないかと思う次第です。
週にRyota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-10189077891012057912016-01-09T18:22:00.000+09:002016-01-09T18:22:46.232+09:00Who will Win 2016 Tour Down Under? One Step Forward Over Simple Statistics
Many World Tour riders start their season with the Tour Down Under. You may wonder how each rider's condition is. There are few clues compared to races in the middle of a season. You can guess some Australian guys go full swing. e.g. Drapac guys especially will make hard effort to earn world-wide reputation in their home country. In addition, Australian and New Zealander riders have competed Ryota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-30220194557401573392016-01-05T20:58:00.000+09:002017-12-12T12:13:39.413+09:00How Large are the Riders in Peloton Today?
ProCyclingStats.com has contributed to dramatic improvements to check professional road cycling results since its launching. I am a big fun of it. I check their site almost everyday and imagine how other rivals compete in other races. Right after I race, I am looking forward to checking their publishing the result, not from officials because PCS's UI is far smarter everytime.
Also, I Ryota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-46734651695449497912015-11-19T17:34:00.000+09:002015-11-20T08:39:17.653+09:002015ツール・ド・シンカラ その7
ここまで
9ステージという超長丁場のツール・ド・シンカラ。第5ステージでステージ2位に入り、戦果をあげた。ようやく半分を折り返したが、選手は消耗が激しい
****************************************************************************
僕が所属するブリヂストン・アンカーには、トマ・ルバ(Thomas Lebas)というフランス人選手が2012年から所属している。彼はアンカーに所属する前は長らくフランスのトップアマチームで走っていたが、アマといっても競争の激しいフランスのロードサイクリングにおいて立派なステータスのチームにいた。若いころにヨーロッパのトップチームに上がるチャンスを逸しただけ、というのが衆目一致するところだと思う。実際彼は現在実力的に、プロコンのエース級クライマーをも凌ぐ力をもっている。ストイックでRyota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-46374422891037706642015-11-12T09:42:00.000+09:002015-11-12T13:07:41.368+09:002015ツール・ド・シンカラ その6
ここまで
疲労の色の濃い集団で、全ステージ中最も厳しい山岳を含む第5ステージに突入。序盤のイラン勢の打ち合いが落ちついたのをみはからって逃げに乗り、一番厳しい山を超えた。相棒のイランチャンプと2人で数分の差をもって残り40キロ。
************************************
ロードレースにおいて、残り40キロで2〜3分差というのは、十分な差とはいえない。むしろ厳しい。俗に言われるのは、10キロ1分ルールだ。標準的な逃げと、標準的な大集団なら、大集団が意思をもてばだいたい10キロで1分ずつ差を縮めることができると言われている。これがプロ選手なら誰もが知っている経験則(a rule of thumb)だと思う。
例外はたくさんある。今回のようにまだアップダウンが残っており、予想の斜め上ばかり起こるレースでは番狂わせを演じる要素がいっそう残っている。
Ryota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-28463509944992229552015-11-02T16:06:00.000+09:002015-11-12T13:07:33.298+09:002015ツール・ド・シンカラ その5
日を追うごとに景気よく集団は小さくなっている。もともとコースが厳しいから、弱い選手は生き残れない。近くでおきている森林火災の煙幕と、排ガスで呼吸器系にも負担がかかる。なによりも胃腸の不調を訴える選手が多い。冗談みたいなドタバタ劇の犠牲になる選手も少しいる。
前日の第4ステージだけでも13人がいなくなった。内訳は2人DNS(Do not Start 出走せず)で、10人がDNF(Do not Finish 時間内に完走せず)、1人がDSQ(Disqualified 失格)となっている。
2015年10月7日の第5ステージでツール・ド・シンカラはようやく折り返しをこえた。昨晩に長距離移動をこなしたご褒美か、これから綺麗なホテルで三連泊。シンカラにおける預言者、初山氏は、レストランに入り、ビュッフェに並んでいるものをさっと一瞥すると、まあここならだいたい何を食べても大丈夫でしょうとRyota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-32427931724630604042015-10-28T08:40:00.001+09:002015-11-16T05:43:51.564+09:002015ツール・ド・シンカラ その4
これまで
9ステージからなる、ツール・ド・シンカラ。第1ステージが一部選手のコースミスでキャンセルになったり、第2ステージでイラン勢が大暴れしたり、第3ステージで下痢で道端に止まっていたらオートバイに轢かれたりして、命からがら3ステージを終えたのであった。
*********************************************
10月6日の第4ステージは第2ステージに続く登坂総力戦のリターンマッチである。超級と2級の山岳を含み、特に一発目の超級は強烈だとのことだ。このままだとイラン勢が登りで飛んでいって、大勝してしまう可能性は高い。昨日のゴタゴタで自分は意気消沈していた。緩い腹は治りきらず、食欲は戻らない。生き残りをかけて戦う他ないと思われた。
この日はレース終了後の移動が200キロある。ヨーロッパならば2時間と少しで見積もる、どうということもない距離だろう。Ryota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-84323302447233310552015-10-17T09:51:00.000+09:002015-11-12T13:07:17.183+09:002015ツール・ド・シンカラ その3
10月5日は比較的平坦な第3ステージが用意された。前日にいきなり総合で決定的な動きが決まったために、リーダーチームもはっきりとして安定したレースとなるはずだ。ふりかえると、まあとりあえずレースは安定していた。安定していなかったのは僕である。
スタートラインまでは7人乗りのトヨタに例のごとくぎゅうぎゅう詰めで移動する。この国に来てから日本車の優秀さをあらためて実感する。スタート近辺はくねった一車線で、周囲はいまにもオランウータンが現れそうなほどうっそうとしている。道も荒く、しばしばオフロードになる。しかし運転手のブンガ氏(推定40)はまったく怯むことなく、エンジンの回転数3000以上を保って、軽快にコーナーリングを決めていく。スタートラインにつく頃には、まず車酔いやら移動の疲労を回復しないとしばらく動けない。
丘の上の原っぱがチームのパーキングである。サインのための公園のようなRyota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-6857349785607596832015-10-15T07:53:00.000+09:002015-11-12T13:07:03.285+09:002015ツール・ド・シンカラ その2
翌日10月4日が第2ステージにして、実質の第1ステージだ。ピシュガマン、タブリズペトロケミカルというツアー・オブ・ジャパンでも他チームを山岳コースで蹂躙したイラン2チームが、遺憾なく力を発揮することのできる1級山岳を後半に含む。総合争いがいきなり激しく展開されることが予想された。
この日について重要なことは、レース展開についてまともに議論できる唯一の日だったということだ。それは、9日間ある僕のツール・ド・シンカラの中できら星の如く輝く唯一の日だった。その後の日々はありとあらゆるトラブルと共に語られる。
スタートから僕は攻めた。序盤道が細い区間、平坦区間でどうにかイラン勢からリードを奪えるような逃げを作り、登りで先行したい。いわゆる先待ち作戦だ。これが成功しないかぎりうちのチームではなかなか望みがない。
いくつもの小集団が形成され、そのたびにイラン勢がプロトンを回してレースをRyota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-87138940963077276922015-10-14T16:06:00.000+09:002015-10-15T06:08:49.322+09:002015ツール・ド・シンカラ その1
先週はインドネシアでツール・ド・シンカラという9日間のステージレースを走ってきました。
自身で初めての東南アジアでのアジアツアーレース。先輩諸氏によれば、アジアツアーはレースで最強なだけでは勝つことができず、人類完成体としての強さが求められるという。数あるアジアツアーの中でも、インドネシアはかなり高レベルだとのことだ。主に衛生概念と暑さ的に。
ロードサイクリングは、それなりの速度でグローバル化を遂げている。僕のキャリアの間だけでも、確実にいくつかの非伝統国が伝統国に伍するようになりつつある。それと歩調をあわせて、これまでレースのなかった地方でレースが開催されるようになってきている。中でも発展途上国のいくつかでは、その経済成長の希望から、ロードサイクリングのような非採算的イベントに多額の資金を投じることもいとわない。ロードサイクリングがはっきりとした因果関係に支えられた、採算事業でRyota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-79976018325329571202015-08-10T11:37:00.000+09:002015-08-10T15:11:09.587+09:00同じことを繰りかえすこと
プログラマー兼エッセイストとして有名な清水亮氏の本に、
「プログラマーにスポーツの趣味を持つ人間は少ない。
スポーツは同じことを何度も繰り返す。要するにトレーニングだ。
むしろトレーニングを退屈だと思うから、プログラマーという生き方を選んだのかもしれない。」
という文章があった。
プログラミングのようなデジタルの世界は、アルゴリズムとか手順の工夫によって数百倍、数千倍の生産性の差が出てくる。それに対して、人間のフィジカルな能力というものはせいぜい数倍である。100メートル走をそれなりにトレーニングしている人なら13秒台ぐらいなら走れると思うが、ウサイン・ボルトでも9秒中盤ということは、30%程度しか変わらない。
不思議なことに、その「僅かな」差が確実に人間にとっての感動を生む。その僅かな差を積み上げるのは、清水亮氏が指摘するようにほとんど繰り返しにみえる日々のトレーニングでRyota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-61707994292219526242015-07-11T22:04:00.002+09:002015-08-10T15:11:48.646+09:00全日本ロードの考察
閾値以上のパワーでどの程度の仕事量をこなしているかについての考察
図は全日本ロードにおける、パワーの時系列グラフです。
ロードレースでは、自分のペースで走ることは許されないため、テクニックによる変動はあるにせよ、似たような出力が要求されます。体重が同程度の選手が、同じような走り方をすれば上と同じようなグラフになるでしょう。
ここで、LT、CP、FTPなど色々な値がありますが閾値を一つ設けて閾値以上の仕事量(=出力 * 時間)の変動をみてみることにします。
閾値を280Wから360Wに変化させ、上の走り方をした場合に閾値以上での仕事量がどのように変化するのかを示したグラフです。
ほぼ線形に変化していることがわかります。ここまで線形に変化するのは意外でした。(もっと非線形性があるかと思っていた)レースにもよるでしょうが。
閾値が280Wの選手と360WのRyota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-60987448653760742202015-07-01T07:50:00.000+09:002015-08-10T15:11:33.132+09:00全日本選手権タイムトライアル・ロードを終えて〜前半戦終了(2)
つづき
各チームのエース級が入った影響から後方の集団も完全に一度止まったようで、5分までは一気にタイム差が拡大。淡々と回します。この中で勝負があるとすれば。。。といった感じでお互いを探りあいながらも順調に歩を進める逃げ集団。コース的にも一旦リセットがあるのは必定ですが、後方が無理やり追いつく展開になれば、前待ちが圧倒的に有利な展開になると考えました。いずれにせよ、人数が多すぎるので逃げ集団内でも、どこかでまた絞られるはず。
しかし、愛三の二選手が集団に戻ってから様子が変わり、タイム差はじわじわと縮小傾向へ。特にやはり下りで詰められるようで、登りでペースを上げるも徐々に逃げ切りが厳しくなってきました。メンバーがメンバーだけに逃げ集団もペースアップしたり、アタックがかかったりと不安定に。しかし、残り距離もまだまだということで集団を完全に崩壊させるようなアタックには誰も出ることなく、一旦Ryota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-4514734893415335958.post-53987513033522579912015-06-29T19:35:00.000+09:002015-08-10T15:11:58.303+09:00全日本選手権タイムトライアル・ロードを終えて〜前半戦終了(1)
栃木県那須地方にて6月21日に全日本タイムトライアル、6月28日に全日本ロードレースに参戦しました。2013年以来、一年あけて久しぶりの大一番です。2013年は前半3月〜4月のヨーロッパ遠征に強く指向したコンディションづくりをしたため、全日本時には体調が悪く、万全を期して戦うのは実に2012年以来となります。
全日本選手権は優勝とそれ以外の差が本当に重い戦いです。僕がプロ1年目、シマノに入った時に先輩の選手から、全日本の時だけはどんな手を使ってでも最後は勝たなくてはならないと説かれました。普段なら力を見せて、内容を同時に求める走りを常に教えられていたのですが、全日本だけは勝たなくては意味がないと。それだけに最後のスプリントに残り、4位だった時も激しい悔しさしか残りませんでした。チームメイトの力を全部背負って戦った以上、勝利以外はありえなかったと。
全日本の準備はツール・ド・熊野終了Ryota Nishizonohttp://www.blogger.com/profile/16385795760611180174noreply@blogger.com