2013年7月1日月曜日

強度指向、インターバルのタイプ、ロードレースの特徴

30分間のレースのために、30分間一定ペースでの練習はほとんどの場合効果的とはいえません。実際のレースでは、タイムトライアルを除けば(コースによってはタイムトライアルも)、然るべきパワーの変動があり、各々の区間で特徴的な負荷のかかり方が存在するため、その特徴を捉えた足の使い方を練習しなくては、ゴールまでフレッシュな状態を保つことは難しいでしょう。




図中の二種類の線は、足の使い方を表す線です。Aは15分間一定の出力を出し続けています。それに対して、Bはやや低い出力を5分間保った後に、5分間やや高い出力を発揮し、その後やや低い出力に戻っています。レース中にAのパターンが現れることはほとんどなく、実際にはBのように特徴的な変動があることがほとんどです。この時、Aの練習ではなく、Bの中間の5分間を耐え切るための練習が重要になります。
陸上のならばAの走り方が正解ですが、ロードレースの場合、あいだの5分で遅れればおそらく足切りが待っています。



さらに中間の5分間を耐え切るための能力をどうやったら効率よくつけられるか?
そこにインターバルを導入します。
2つ目の図の中のAは目標とする5分間の出力のイメージです。これを実現するためには、やや出力が高く、やや時間の短いBを、間で十分に休みながら繰り返し行います。
そのココロは、Aの強度・時間を一度に実現するのが現状難しければ、より短い時間で同等以上の強度を出し、間に休みをいれることで、再び十分な強度を再現することができます。すなわち、優先しているのは時間ではなく強度です。

再び十分な強度を確保するためには、然るべき休憩時間が必要です。これが不十分だと足の回復速度をアップさせることが狙いとなるトレーニングになり、Aを目指したトレーニングにはなりません。必要以上に休む必要はありません。ターゲットとなる強度を出せるギリギリの回復時間を設定することで、回復能力に対してもうまく働きかけることができます。

ロードレースでは、一旦遅れると終わりという場面が多く、とりあえずあるレベルの強度が出せないと終わりという場面が多いです。どんなに回復速度が早かろうが、一度でも集団から遅れれば、集団の力が圧倒的です。そこで、このような強度指向のインターバル方法が重要になります。逆に陸上のように、細かなペースのアップダウンがありながらも、ベースの強度がしっかりと存在する競技では、回復速度はより重要なので、回復し切らないうちに、強度をやや落としてもインターバルを行うメリットが大きくなってきます。ロードレースではハードなセクションの後には、下りや集団内でゆるむなど、イージーなセクションがたいてい伴っているものです。

注:5分、10分、15分などの数字は適当なものなので、自身のレースの特徴に置き換えて考えてみてください。