2012年9月10日月曜日

都貴、ポジションを語る4


ポジション関連の連載はちとアクセスが少なくて、専門的すぎるのであろうかーと思って一度切ってしまったのですが、その後各方面からやたら反響をいただき、ページビューも激増したため、都貴先輩の威力を思い知った上で、彼の思考法を世に広めるべく、編集活動を再開いたします。

というわけでロードバイクに乗るためのポジション論の連載第4回です。前回まではこちら


それでは今回分です。


西薗:コラムも難しいですよね。例えハンドル高を同じにしたとしても、コラムの突き出し量で結構走りが変わるのは意外ですよね。

都貴:コラムを伸ばすことによって、腰、手を置く位置、ペダルの3点のバランスが変わってくるじゃん?例えば、ステムを伸ばしただけではしっくりこないのを、高さを上げて調整する、とか。他にもサドルを前後させたぶん上げないといけないとか、下げないといけないとか、あるじゃん。それが、ハンドルにおいてはステムを伸ばしたぶん、位置上げないと行けないとか、ブラケットを立てないといけないとか、

西薗:遠くする場合でも、ただ遠くすればいいというわけではない。

都貴:うん。ただ遠くすると、例えば、目線が低くなってしまうとかあるわけじゃん。3点のバランスを無視しちゃうとね。

西薗:ハンドル周辺が低くて近いのと、高くて遠いポジションの違いはなんだと思いますか?

都貴:それはぜんぜん違う。遠くて低いのと、高くて近いのは、俺は体感的には同じ事だと思う。いや、体感は違うけど、同じように出力は良い。両方力が出せる。

西薗:直感的には真逆の2つのポジションは、どちらも力が出ると

都貴:うん、その中間(中ぐらいの高さで、中ぐらいの近さ)でも大丈夫だと思うけど。
でも、低くて近いポジションを取ったら、俺は何にもできない。逆に、高くて遠いポジションをとっても何にもできない。

西薗:高くて遠いのもダメなんだ。

都貴:不安定すぎて。。。つじつまを合わせられない。

西薗:で、その中だと。エアロダイナミクス的に、低くて遠いのを選択するんですよね。

都貴:でも、高くて近いポジションを使っていたこともあるからね(ステムとかクランクとかのTOJの写真参照)遠くて低いのが見てくれは圧倒的にいいんだろうけど。

西薗:見てくれ以外には。。。

都貴:だから、登りだけ頑張れよって言われた時に、富士山(あざみライン)級のね、やっぱり高くて近いのが登りやすいよ。それは(80年台にイタリアで活躍した)市川さんも同じ意味で使っているのか、実際には知らないけど、それで彼は結果を出していたからね。

西薗:でも市川さんの場合、よく見ると3点のバランスは普通なんじゃあ、と思うんですけど。あれはバイクがちょっと特殊なんじゃないかなあ。

都貴:そうともいえるんだけど~。だからそれが、例えばしなりが何か影響するからああやっているのか、純粋に位置のためにああやっているのかがわからない。

西薗:そう、そこが問題なんですよね。結局ポジションが一緒でもコラム量で変わってくるわけじゃないですか

都貴:乗り味がガラっと変わる。

西薗:うん。。。なんとなく、はそこのところ、掴んできているんですけど。。。そこを系統建てて説明している本とか文章を見たことがないんですよ。

都貴:それは、ゾノさん自体が試して体感すべきだよ

西薗:いや、それはなんとなく実験が重なってきているんですけど、どうすればどうなるというか、おおまかな方向性を明文化してくれているものがないっていうか。

都貴:それは、完全に個人差だと思う。

西薗:個人差

都貴:だから、自分にあったのを探すのはやるべきだけど、このポジションはこうだからこうしろって勧めるべきではないと思う。

西薗:なるほど

都貴:だから、みんなに言いたいのは、なんで同じポジションでずっとやっているのかなーっというところかな。色々やれるんだったら、やってみて、自分にあったポジションを探すのが、自転車の楽しみだし、それは大いに勧めるけど、じゃあみんな市川さんのポジションにしたりとか、遠くて低くしろっていうのは、それは答えにならないと思う。